ZIPANG-7 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その52)福島の姥神たち・飯豊山に連なる姥神信仰 【寄稿文】 廣谷知行


闇川の本元飯豊山


本元飯豊山参道入口の姥神像


 「おんば様」より闇川地区に伝わる掛け軸の写真


前回、その51で紹介した福島県の飯豊山。その本家とされているのが会津若松市大戸町の闇川地区にある、本元飯豊山です。ここでは飯豊のことを、「いいで」ではなく、「いいとよ」と読み、大己貴命(おおあなむちのみこと)、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)、飯豊青姫命(いいとよあおひめのみこと)を祭神としています。


特に飯豊青姫命は、第22代天皇の後に政務を執った人物である飯豊青皇女(いいとよあおのひめみこ)のことを指し、本元飯豊山、飯豊山ともども、それぞれの山の名前の由来となった神様と考えられます。


かつては修験の山として信仰を集め、闇川地区はその宿坊として参拝客で賑わっていたそうです。


年に一度、9月にお祭りがあり、地域でその参道を整備しながら参拝登山をしています。その時に開帳し、祀られる掛け軸には飯豊山に連なる神々の名が書いてあるのですが、その中に姥大権現の名前を見ることができます。


その山の登山道の途中に姥神像があります。これは飯豊山と同じく境界-姥神型として祀られたと考えられます。


大戸岳


大戸岳登山道入口の姥神像


本元飯豊山の南に標高1,416mの大戸岳があります。その闇川登山道入口にも姥神像が置かれています。女人禁制の意味があったかどうかはわかりませんが、境界-姥神型として祀られたと思われます。


小野岳と小野観音堂


小野岳


小野観音堂の手前に祀られた姥神像


小野観音堂の姥神像


大戸岳の南西、大内宿、塔のへつり、芦ノ牧温泉、湯野上温泉など多数の観光地に囲まれている山が、福島県下郷町の小野岳です。


この山は標高1,383mで、その登山道入口に小野観音堂があります。同観音堂は、もともとは山頂にあったものを現在の場所に移動したそうです。


その観音堂境内の、参道入口から階段を登った先、堂の手前に姥神像があります。手にはおそらく布を表現したものを持っているのかと思われますが、木の葉のようにも見えるものを持っています。参道途中にありますので、境界-姥神型として祀られたと考えられます。


この小野岳と先の大戸岳は、その祀り方や立地などから、飯豊山や本元飯豊山の影響で、同じような形で姥神を配置したのではないかと推察されます。

 

参考図書

石田明夫著「歴春ブックレット おんば様」 1999年 歴史春秋出版株式会社


続く・・・


寄稿文
廣谷知行(ひろたに ともゆき)
姥神信仰研究家


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。

発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)



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飯豊山頂手前にある姥神像


飯豊山の頂上近く、御秘所と呼ばれる場所に姥神像があります。頂上の手前にあるため、境界-姥神型として祀られており、また御秘所は湯殿山の御神体の場所の呼び名のひとつでもあるため、飯豊山も湯殿山を模したのではないかと思われます。

なお、この姥神はある女性が女人禁制の飯豊山に参拝しようとして石になった伝承もあります。さらにその女性は3姉妹であり、それぞれが別の場所で石になったとともされ、飯豊山の姥神像は長女とのこと。

この女性が女人禁制の地に入り、石になったという伝承は全国で見られ、姥神像とは限らず、普通の石や岩などが祀られています。これは姥神信仰の中心と考えられる立山にもあります。


ZIPANG-7 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その51)福島の姥神たち 飯豊山の姥神姉妹【寄稿文】廣谷知行
https://tokyo2020-7.themedia.jp/posts/42323589



外国人観光客誘客に取り組む


會津十楽開催概要

開催目的

サムライシティプロジェクト実行委員会では2013年より「會津十楽」を開催し、鶴ヶ城内やまちなか等で蒲生氏郷公が作り上げた会津固有の制度であった経済と文化が融合した「會津十楽」を再現し、歴史的な背景を含めた新たな観光資源とし、県内外に「会津南蛮文化」を発信する事業を展開してきました。昨年度は4月~6月のディスティネーションキャンペーン期間の3か月間、会津若松市の観光誘客に繋げていくことを目的として、鶴ヶ城本丸北エリアにて「會津十楽」を開催しました。

この度、ふるさとイベント大賞最優秀賞(総務大臣賞)を受賞し、対外的にも大きな評価を頂きました。今年度は、春の陣、秋の陣を主宰するほか、地域のイベントにも出店し、400年以上前の市を現代の形で再現します。4年目の開催となる平成29年度は、ラストサムライの地「會津」を広く海外にアピールするインバウンド事業を視野に近隣都市と連携を図り、外国人観光客誘客に取り組みます。


ZIPANG TOKIO 2020「『會津十楽 』450年の時を超えて自由市會津十楽が復活 鶴ヶ城で開催」

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ZIPANG-7 TOKIO 2020

これまでの、日本の精神文化と国土の美しさについて再発見に加えて その1. 全世界との情報の共有化 その2. 偏り、格差のないローカリティの尊重! その3. 美しきものへの学び、尊敬、関心を高める教育と推進

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