ZIPANG-7 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その56)福島の姥神たち・北塩原村・・・【寄稿文】 廣谷知行


福島県北塩原村


五色沼湖沼群の青沼


桧原湖から磐梯山を望む


福島県会津地方、喜多方市の東に位置する北塩原村は、人口約2,300人の小規模な村ですが、村内の80%以上を占める山林のなかに桧原湖や五色沼湖沼群、磐梯山などがあり、風光明媚な自然観光資源が豊かなところです。

また、戦国時代に伊達政宗による会津侵攻の防衛拠点だった柏木城跡があり、国の史跡として指定されています。

ちなみに村名は、昭和29年の合併前の北山村、大塩村、檜原村から一字ずつとってできたものです。


北山薬師


北山薬師堂


北山薬師の腹打石


同村にある北山薬師は、会津五薬師のひとつで、周辺が漆の産地だったことから北山漆薬師とも呼ばれます。他の会津五薬師はそれぞれ、湯川村の勝常寺、磐梯町の慧日寺、会津坂下町の上宇内薬師堂、会津若松市の野寺薬師です。


北山薬師は平安時代初期に徳一大師により創建されたとされ、やや山道を登った先に立派な堂があります。


慶長年間(1596~1615年)に、当時の鶴ヶ城城主の蒲生秀行が大正寺を訪れた際、病弱だった亀千代丸のことを住職に相談したところ、奥の院である北山薬師が霊験あらたかでご利益があることを聞きました。そこで、早速奥方と亀千代丸を使わして7日間病気平癒の護摩祈祷を行ったところ、健康が回復しました。


そのお礼として大正寺に薬師三尊像を寄進し、それ以降大正寺の本尊は里の薬師、奥の院である北山薬師の本尊は峯の薬師と区別して呼ばれるようになりました。


さて、北山薬師では亀千代丸の健康平癒の霊験にあやかり、毎年9月に「二つ児参り」と呼ばれる祭礼が行われています。これは亀千代丸が北山薬師で祈祷を行った歳と同じ、数えで2歳になる子どもの腹を腹打石と呼ばれる大石に当てるといったもので、これにより無病息災になるとされます。この石は、「子どもが抱きつけば体が丈夫になり、大人が抱きつけば胃腸が丈夫になり、若い女子が抱きつけば良縁に恵まれて子宝が授かる」とされ、大人にもご利益があるようです。


北山薬師参道の姥神像


北山薬師の姥神像


北山薬師に行くには、少々山道を登らなければいけないのですが、その途中に姥神像が置かれています。ただ、残念なことにこの姥神像は廃仏毀釈の影響のためか顔は削られ、その表情を見ることはできません。登山道の途中にあることから湯殿山、もしくは近くの飯豊山を模したと考えられ、境界-姥神型として祀られていると言えます。



大正寺にも姥神像


大正寺のおんば様像


北山薬師の麓に、先の鶴ヶ城城主が訪れた大正寺があります。ここには子育て観音像があるのですが、その手前におんば様と呼ばれる姥神像があります。これは北山薬師での祀り方を模していると思われますが、安産祈願の文字も見られるため、近隣の姥神信仰と合わせて祀られているようです。


また、その像容を見ると、左手に木の葉を持ち、胸ははだけていません。これはその52で紹介しました福島県下郷町、小野観音堂の姥神と同じですので、これをモデルにして制作されたものと思われます。



続く・・・


寄稿文
廣谷知行(ひろたに ともゆき)
姥神信仰研究家


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。

発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)



アーカイブ リンク記事をご覧ください。


オレンジ色の奥会津金山赤カボチャ


特に金山町産は品質が高く、福島県内では「奥会津金山赤カボチャ」としてブランド化しており、高級食材として認知されています。

一部の農家では「吊下げ式」で栽培します。地面に触れないので表面がきれいに仕上がり、日光をまんべんなく当てることで美しいオレンジ色になります。


今や海外から、2800万人もの人々が日本を訪れ、日本各地の素晴らしい文化や美しい自然などに触れられるようになっている。こうした大きなインバウンド需要が見込まれる今こそ、日本各地の素晴らしい名物をアピールする絶好の機会だ。

「地域の旗印」となるブランドへの第一歩

皆さんは、地域の名産品やサービスを「地域ブランド」として適切に保護することで信用力が維持でき、競争力の強化や地域経済の活性化につなげられることをご存じだろうか。「地域の名称」と「商品(サービス)名」等を組み合わせて「地域団体商標」として登録する方法だ。

地域団体商標マーク

地域に根ざした団体からの出願などが登録の条件だが、登録されると商品パッケージや広告などに地域団体商標マーク(上記マーク)を表示することが可能となる。これにより地域の名物として商品の更なるPRや、模倣品や類似品の流通防止などになる。

630件を超える登録が

2018年7月末までに、農業水産物、伝統工芸品、温泉、ご当地グルメといった幅広い分野において、631件の地域団体商標が登録された。利用者の方々からは、「商品のブランド価値が向上し、単価がアップした」、「模倣品対策をすることができ、ニセモノを排除することができた」など多くの声が寄せられている。

さらなる普及・活用促進に向けて

現在、地元の大学生が地域団体商標を取得した団体を取材し、その魅力を「instagram(インスタグラム)」で発信する試みや、新商品や新ビジネスのアイデアを検討する「東海・北陸 地域ブランド総選挙」を開催している。このような取り組みを通じて、引き続き、地域商標団体制度の普及に努めていきたい。

(詳細は本文にて・・・)


登録になった新しい地域団体商標をご紹介します!

島根県「松江しんじ湖温泉」(松江温泉旅館協同組合)


松江しんじ湖温泉すいてんかく(ひのき風呂)


宍道湖(しんじこ)の北側湖畔に面し、地下 1,250m 以上からこんこんと湧き出す効能豊富な高温(77 度)の天然温泉です。文豪小泉八雲がこよなく愛したといわれる、四季折々に 変化する宍道湖を眺めながら贅沢な時間が過ごせるお宿が並びます。泉質はナトリウム・ カルシウム—硫酸塩・塩化物泉で、神経痛、関節痛、冷え症、慢性婦人病などに効果があり ます。無色透明でさらりとした温泉は肌なじみがよく、肌がしっとりします。


ZIPANG-2 TOKIO 2020「地域の特性を活かしたブランド戦略と東海・北陸 地域ブランド総選挙」
https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/4764417



山形 鶴岡市 羽黒山 「国宝 五重の塔」


岩手 一関市・平泉町 黄金花咲く平和な理想郷「世界遺産 平泉 中尊寺」


食と農の景勝地について

海外における日本食・食文化に対する関心は、「和食」のユネスコ無形文化遺産登録、ミラノ国際博覧会等を通じて近年大きく高まっており、日本を訪れて「本場の日本食」を体験したいという外国人のニーズも高まっています。また、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会も見据え、地域の食と、それを生み出す農林水産業を核として訪日外国人を中心とした観光客の誘致を図る地域での取組を「食と農の景勝地」として認定する仕組みを創設し、訪日外国人旅行者の観光需要を国産農林水産物・食品の需要拡大及び農山漁村の所得の向上に繋げていくことを目的としています。


< 食 > 鮎、ほう葉寿司、里山定食(岩魚)等

・ 日本で最も美しい村の農村景観 馬瀬川を中心に流域の森、川、農 地―人のつながりがつくる食と豊か な自然、美しい景観に、地元の温か いふれあいが楽しめる地域。


ZIPANG TOKIO 2020「食と農の景勝地」の第1弾認定及び認定ロゴマークの発表並びに認定証授賞式の決定!
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/1581341



※現在、2100件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。


新サイトの記事をご覧いただけます。

ZIPANG-7 TOKIO 2020 (VOL-7)
https://tokyo2020-7.themedia.jp/


最新の記事をご覧いただけます。

ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
https://tokyo2020-6.themedia.jp/


最近の記事をご覧いただけます。

ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
https://tokyo2020-5.themedia.jp/


250件ほどの記事をご覧いただけます。

ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/


235件ほどの掲載記事をご覧いただけます。

ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/


200件ほどの掲載記事をご覧いただけます。

ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
https://tokyo2020-2.themedia.jp/


615件ほどの掲載記事をご覧いただけます。

ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/


ZIPANG-7 TOKIO 2020

これまでの、日本の精神文化と国土の美しさについて再発見に加えて その1. 全世界との情報の共有化 その2. 偏り、格差のないローカリティの尊重! その3. 美しきものへの学び、尊敬、関心を高める教育と推進

0コメント

  • 1000 / 1000