ZIPANG-7 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その58)福島の姥神たち・三島町・・・【寄稿文】 廣谷知行


福島県三島町

福島県の奥会津にある三島町は、人口約1,400人の小さな町です。会津桐の産地であり春には町内の桐が一斉に薄紫の花を咲かせる姿を見ることができます。桐の町として会津桐とその加工品を特産物とし、さらに奥会津編み組細工の山ブドウやマタタビの蔓などを使った伝統工芸品も盛んで、町内にある生活工芸館ではそれらの展示販売をしているほか、製作体験などもできます。


 只見線鉄橋の絶景スポット


「日本で最も美しい村」連合に加盟している町であり、以前ZIPANG-3の奥会津で紹介されましたが、町を流れる只見川に跨るJR只見線鉄橋の風景は絶景スポットとして知られ、多くの写真愛好家や鉄道ファンなどが訪れる場所となっています。


只見線が参道を横切る三島神社


只見線と言えば町中にある三島神社は、参道を線路が横切っていて、これを越えないと参拝できないため、電車時間に注意が必要です。ちなみにこの神社が町名の由来となっています。


観音堂の姥神像


大杉観音堂の姥神像


大杉観音堂の観音像

 

同町の西方地区、その共同墓地にある大杉観音堂の観音像の横にオンバサマとして姥神像があります。木造であり、小さめですがしっかりと造形されています。背中には墨書で弘化3年の文字が見えますので、1846年に造られたものとわかります。観音像と一緒に堂の中に祀られているため、本尊-姥神型と考えられます。


西方地区の鬼子母神


西隆寺の乙女三十三観音


同じく西方地区に西隆寺があります。同寺にある乙女三十三観音は、微笑み観音や哀切観音など様々な表情の可愛いらしい観音石仏が境内に点在し、ほっこりした気持ちで境内を巡ることができます。


鬼子母神像


そして同寺の裏にある岩倉山を登り、標高約500メートル地点に祀られているのが鬼子母神です。


鬼子母神はインドのハーリーティーに由来する神です。多くの子どもを持ち、自分の子どものため他人の子どもを殺していた鬼女でしたが、神に自分の子どもをひとり隠されたことで悲しみ、他人の悲しみを知ったことで慈悲の女神になったといういわれがあります。このため子授け、安産、子育てに霊験のある神とされ、鬼子母神として日本でもほぼ同じご利益で信仰されています。


その霊験に合わせ、毎年5月5日の子どもの日に例大祭が行われており、この日は小さい子どもも一緒に険しい山道を登り、鬼子母神に参拝する風習があります。地域をあげて盛大に行われていることから、信仰の厚さが伺えます。


姥神についても子育てや安産に霊験があるとされていますので、先の大杉観音堂の姥神像も鬼子母神と同一視されて祀られた可能性もあるかもしれません。


続く・・・


寄稿文

廣谷知行(ひろたに ともゆき)
姥神信仰研究家


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。

発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)



アーカイブ リンク記事をご覧ください。


濃霧に包まれた幻想的なモノクロームの自然風景。


只見川の朝霧の中を余程熟練の船頭さんですね~糸を引くようにゆっくりゆっくりと往く木造の渡し舟であろうか?それとも川漁師の舟かな、はたまた観光船?櫓を漕いだ小さな波だけが木舟のあとからどこまでもついていく・・・まさか木舟の材料まで「桐」ということはないと思うが…スサノオノミコトは舟は杉か楠でと適材適所を宣われていたが、滋賀県・琵琶湖の昔ながらの舟漁や、昨日解禁した岐阜県・長良川の鵜舟や今でも住民のために続けている渡し舟は、木曾五木の一つで腐りに強い槙(通称・高野槙)が使われています。

奧会津では、一体どんな材料で木舟を造っているのか興味深いですね~(ねぇ〜と言われても君〜…普通は渡し舟か?漁の舟か?観光船か?また、その歴史はとか読者はそういうところに興味を惹かれるものでは~と外野席。ソーナンスカ?)

深い緑の中の青い屋根の一軒家も気になりますね、外観の意匠はホテルかペンションまたは、別荘のような感じですが、合わせて現地で尋ねてみますので奧会津シリーズ次号でお知らせいたします。


奧会津の春「第一只見川橋梁」

只見川の川霧

川霧は水温と気温の差が大きい朝夕や雨上がりに発生します。流域では川霧と緑の木々が醸し出す幻想的な風景が広がります。


ZIPANG-3 TOKIO 2020「日本の町 『奧会津』 奥の地  三島町の四季に魅了され・・・桐と霧の里へ」
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6199543



日本橋ふくしま館
昨年は、大勢の方にオープン前からお待ちいただきました。ありがとうございます。


東京日本橋にあるふくしま館MIDETTEにて「奥会津三島町フェア」昨年の様子

「日本橋ふくしま館 MIDETTE」(ミデッテ)5周年

2014年4月12日(土)、東京日本橋に福島県の新しいアンテナショップ、「日本橋ふくしま館 MIDETTE」(ミデッテ)がオープンしました。今年は5周年になります。


体験コーナーでは、楽しそうに奥会津編み組細工(山ブドウストラップ作り)をする参加者


「日本橋ふくしま館 MIDETTE」(ミデッテ)とは

愛称のMIDETTEは、「見てね、来てみてね」といった「お誘いの気持ち」を福島県の方言で表現しており、福島県が全国に誇る日本酒や果物、工芸品等の特産品のほか観光情報や食の安全性に関する情報などを発信しています。


ZIPANG-3 TOKIO 2020「『奧会津三島町フェア』 日本橋ふくしま館 MIDETTE(ミデッテ)にて7月開催」
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6400040



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ZIPANG-7 TOKIO 2020

これまでの、日本の精神文化と国土の美しさについて再発見に加えて その1. 全世界との情報の共有化 その2. 偏り、格差のないローカリティの尊重! その3. 美しきものへの学び、尊敬、関心を高める教育と推進

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