ZIPANG-7 TOKIO 2020デザイン・色彩実践講座 8ー1「沖繩 世界平和へのバタフライエフェクトを日本から」 ・・・【寄稿文】一舟・光秀


沖縄はアジア文化の華であり日本の誇り。

先日久しぶり沖縄へ行った。この度の沖縄は、本土と異なる戦後の沖縄の特異な現実の中に、今の豊かさと未来へのあり方の基本を見た思いであった。それは戦後の沖縄のアメリカ化の超克にあると感じる。


その元は、琉球王朝時代の優れた伝統文化と、人の心の強さと美しさの存在である。


その昔、西欧を戦争の恐怖の嵐に巻き込んだナポレオンが、東洋には軍隊を持たない琉球という平和な国があると聞き、そんな国がある訳はないと言ったという。


その後の日本は、沖縄の現実は、明治維新の富国強兵と物質文明へ邁進し、天皇陛下万歳の掛け声で、隣国からアジア諸国への侵略をし尽くし、その思想の結果である太平洋戦争の末期、国民は人類史上最も悲惨な様々な死を、二発の核兵器で最後に無条件降伏となり今に至る。


その象徴が麗しき沖縄にあり、幼児から高齢者まで、惨憺たる極限の死に追いやられた重要な証言の記録に接すれば、誰もが静かに頭をたれ、平和と命の大切さを願うだろう。


そしてまた今、沖縄にはうるわしき風土と、伝統に培われた数々の美しきもの、食文化などがあり、来訪者を快く迎えてくれる。


琉球文化の素晴らしき形と色彩 工芸の力強い作品から学ぶ。またユニークな、アジア建築の、過去から現代、未来への指針のような、内井昭蔵氏設計の浦添市美術館の建築群にも。


世界建築遺産ボロブドールやその他アジア文化の集積のような造形と景観と、この度のその展示内容の素晴らしさは沖縄の誇りを物語っていた。


「風土と伝統を活かし未来を創る」筆者の長年の環境デザイン思想にも合致し、縄文から未来へを見据え、現代の彷徨える我が国の都市と建築の状況を超え、自信に満ちた建築デザインを見た思いである。


浦添市美術館の建築群は、沖縄の過去現代未来へと、風土と伝統に調和し美しい。


デザイン・色彩とは、生きとし生きるもの、人の幸せと平和を目的とする、形と色を五感で実現する仕事である。

筆者は太平洋戦争開戦の1941年12月8日の1月前に生まれた。そして敗戦後の日本を4歳の幼児期から戦後80年近い現在に至るまでずっと見て来た。


米軍機来襲の空襲警報の不気味な大サイレン音、母の実家である千葉県銚子での無差別空襲の夜、真っ赤に燃え上がる炎の夜と、防空頭巾を被らされ、気丈な祖母と十人ほどで耐えていた暗がりを今でもはっきりと覚えている。それだけに筆者ら後期高齢者は、戦争を知らない人達に問題提起をしたいのである。


そこには筆舌に尽くせない戦争の犠牲に耐えて来た暮らしと復興、中でも沖縄の人々の苦労と、風土の美しい姿に学ぶところは大であり、デザイン・色彩の視点から述べたい。


まず浦添市美術館では、アジアの新たな文化のありかたを思わせる、現在展示中の琉球漆器と紋様などの力強い作品群を拝見した。


建築の内部の格調と落ちついたデザイン


静謐な通路空間


ピロティーの簡潔で力強い八角形でのデザインと内庭の植物



世界は今ウクライナ戦争を見て、行き詰まる物質文明から平和を願い、心の文明を望んでいる。また世界のグローバル化が進むほどに、国や地域のアイデンティティーが大切であることにも気づき始めている。


特に我が国は、世界的に立ち遅れている独自性のない都市計画、表層の建築、醜い電柱や看板類の乱立する環境を放任していることは、政治、経済、教育、文化、人の暮らす器である生活環境全般に、そして日本人の心にまで影響を及ぼしている。


また自然や生命を大切にする現代において、人の命の大切さを再確認する機会であり、デザイン・色彩にも共通する課題である。


大らかで力強い琉球漆芸のデザインの数々



この度の色と形と紋様の浦添市美術館の展覧会を見て、琉球王朝の高い工芸文化は、戦後の悲惨な状況から人々が立ち上がる大きな力、原動力になったであろうと思うと同時に文化のさらなる可能性を感じた。


那覇市立壺屋焼物博物館に展示されている迫力あるシーサー



この浦添市美術館にも上のシーサーの造形にも、沖縄の伝統文化に通じるものを感じる。八角形の塔から見る堂々たる風景と、遠方の、日本らしい無秩序な現代都市景観の対比が際立つ。


八角形の塔からの眺望、堂々とした屋根の風景は、不思議なくらい時代を超えて落ち着いた、風土と伝統に調和するデザインであり、多くの我が国の現代建築の薄っぺらさに比べ、日本の忘れて来た縄文以来の、日本文化はこれから如何にあるべきか、その答えを見る思いである。


今ここで、独自の伝統を基本に据え、浮遊する無国籍様式から、日本の誇れる中世の芸術のように、日本独自の文化を目指し、再起動をする時であろう。そのための幾つかの要素を。


天に昇るかと思う勢いの長大な登窯の沖縄の赤瓦


万能の植物らしく、月桃の大きな葉と豊かな花の形と色彩。



佐喜眞美術館は日本での唯一の地上戦であった沖繩の壮絶な真実を描いた、画家の丸木位里・丸木俊夫妻の共同制作「沖縄戦の図」のある美術館。接収された米軍基地を見る四角窓のある展望台を含めて沖縄の心の聖地の一つであると思う。


聖なる森の奥深くにある荘厳な琉球王家の斎場。ここにも艦砲射撃の痕は残る。


米軍戦闘機の耳をつんざく大音響が共存する沖縄だが、美しい海と心がある。


本土では忘れられた景観デザインの基本、地形に沿った都市デザイン、対岸の景観は良い。


われ我が忘れてはならないことは、最後の激戦地となり、人口の4分の一を失い、今でもその延長にありながら伝統や遺産を大切に、語り伝え強く明るくある沖縄の姿に敬意を払いたい。


今ウクライナの惨状を見るにつけ、我が国が、特に沖縄が歩み乗り越えてきた、物質文明から心の文明への一歩として、世界が共有すべき何かを元に据える事が必要であろう。


それは「生きとし生きるものの命」であり、物質文明が破壊してきた地球環境の回復である。


日本の意識の変革が、世界平和へのバタフライエフェクトを呼ぶ 

しかしながら現代においても人の命を奪うこことは重罪であるが、未だに人は社会的通年として大勢の人の命を奪った者を英雄と称える習慣がある。


容赦無く罪のない女子供、ましてや身内の命まで奪った信長や秀吉などの例。そして内外を問わず他国へ侵略し命を奪った政権は、平和は、短命である。


被害を被った人々の心や地域をも斟酌せずに、イベントや大河ドラマでも、英雄と賞賛し好戦的な意識を育てる習慣は、今やもう時代錯誤としたい。


今人気の子供達のゲームも然りである。一人でも命を奪うことは殺人罪であり、まして税金で武器を買い使う公認の殺人行為に加担しないことが、大人の心の時代であろう。


人には同種の人間を殺し、喰らう、生きものとしては稀有なDNAがあるという。それを克服することが心の時代への第一歩である。


人間のあくなき科学技術の追及も、このためにあるはずだが、物質文明ではそのリスクと反作用が有ることを容認して来た。そして地球規模の気候変動に・・・。


日本の今を 260年の平和を築いた「家康ならどうする」

戦後80年、もうすぐ一世紀になる。今国会で進めている、懲りずに繰り返す時代錯誤の軍事産業経済に支払う40兆円プラス3兆円などは、そろそろ戦勝国に思いやりや遠慮せずとも、勇気を持って日本の望む本来の心の文明構築に使いたいと。きっと世界も同調することになる潮流が、バタフライエフェクトが始まると思う。


太平洋戦争宣戦布告1月前の11月8日生れの筆者は、4歳児頃から敗戦後80年近い現在まで、米軍機来襲の空襲警報の不気味な大サイレン音、母の実家での千葉県銚子の無差別空襲の夜、真っ赤に燃え上がる炎の夜と、防空頭巾を被らされ、気丈な祖母と十人ほどで耐えていた暗がりを今もはっきりと覚えている。それだけに筆者ら後期高齢者が、戦争を知らない人達に問題提起をしたいのである。


明治の欧米の欲望の物質文明の真似は、アジアの国々を植民地に、自国民とアジアの人々を計5千万人とも一億人とも言う死者を出し、苦しめた過去を未だ懐かしむ日本人がいることを恥と思い、勇気を持って、本当の平和へ取り組む教育を、疎かにして来た意識を変えることが、日本の未来、世界の平和に向かう基本思想になる。


かって260年の平和を築いた江戸期の様に、近隣国との友好を深めていれば、テポドンなどの脅威に次世代も怯えることもなく幸せに暮らせるだろう。


これを我が国における正しいSDGsの目標にしたい。

それは身近な暮らしの「デザイン・色彩」からも始められる。


続く・・・

次回はアメリカナイズがもたらした沖縄の景観、そして建築に独自の進化をもたらした華ブロックと結構個性的な魅力のある景観の色彩について。


寄稿文 一舟・光秀(林 英光)



環境ディレクター
愛知県立芸術大学名誉教授
東京藝術大学卒業


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発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)



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株式会社NTTドコモ(以下ドコモ)は、沖縄の大切な文化の一つである「言葉」を次世代へつないでいくために、これまでにない全く新しい「動画辞典」を制作しました。「うちなーぐち(沖縄語)」(=古くから沖縄で話されて来た言葉。以下、うちなーぐち)は、ユネスコにより消滅危機言語の一つに認定されています。うちなーぐちをもっと身近な存在にして、消滅の危機から救いたい。そこでドコモは、沖縄のみなさんと一緒にうちなーぐちをスマホで動画撮影。生き生きとしたうちなーぐちをたくさん集め、誰もが気軽にうちなーぐちに親しめる動画辞典サイトをつくりました。

「よくわかる」10代、わずか0.4%! このままでは、うちなーぐちが消滅する!?

2009年、うちなーぐちはユネスコにより消滅危機言語に認定されました。日本国内では8つの言語・方言が消滅の危機にあるとされており、そのうち5つが沖縄県の言葉です。今回このサイトでは、その中からうちなーぐちを中心に集めてあります。

うちなーぐちを含む沖縄県各地域の言葉「しまくとぅば」について県が実施した調査(※)によると、しまくとぅばを「よくわかる」と回答した人の割合は、70代以上で54.0%、10代ではわずか0.4%でした。若者が少ないのはもちろん、高齢世代でさえもよく理解できる人は半数程度しかいない、まさに危機的な実情があります。

※平成30年度しまくとぅば 県民意識調査報告書


ZIPANG-4 TOKIO 2020「うちなーぐち(沖縄語)」は、ユネスコの消滅危機言語に認定されています。NTTドコモ「みんなのうちなーぐち辞典」公開!
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7973851



沖縄らしい絶景に感動!リゾートを楽しむ                                     編集局イメージ

那覇から一番近いケラマ諸島の無人島「ナガンヌ島」団体貸し切りパーティーは如何…

「世界が恋するケラマブルー」に浮かぶ無人島でBBQやシュノーケル、ドラゴンボートなど憧れの無人島ツアーを貸し切り体験できます。ケラマ諸島の海の色は勿論、兎に角浜辺の砂の白くて細かいこと…わざわざ欧米から環境や海洋学者の方たちが研究のために来られるくらいです。海に潜ると色とりどりの熱帯の魚やサンゴたちと会話ができるんですよ・・・


ZIPANG-3 TOKIO 2020 ~世界が恋するOKINAWA~ JTB 『日本の旬 沖縄』全社キャンペーン(1)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6976172



沖縄 デポアイランド遊歩道                   編集局イメージ


沖縄 デポアイランド夜のストリート                編集局イメージ


沖縄 デポアイランド夜景                     編集局イメージ


もうひとつの日本がここにもあります!

最早、海外にリゾートを求める時代は過ぎ去り、今や海外から日本に癒しやリゾートを求めてやって来る時代となりました。

近年、海外旅行客が年毎に増え続けています。日本人は伝統の独自文化を他国から称賛され、今更ハッと気づく人種です※・・・

※例えば明治のお雇い外国人ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)やエドワード・モース等からの鋭い観察眼を通じて、持ち前の美意識と精神文化に気付かされました……仕方ない。島国で300年もの鎖国時代を…過ごしていたんだから・・・

いま流行りのインバウンドに向けて、日本伝統「和」と日本の新しい概念「リゾート」のコラボレーションはこれから益々進化していくことでしょうね~

ターゲットは2025年は大阪万博。この辺りかな~ 


ZIPANG-3 TOKIO 2020 ~世界が恋するOKINAWA~ JTB 『日本の旬 沖縄』全社キャンペーン(2)
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離島の時代「八重山諸島」

絶対に見逃せない!竹富島は石垣島から船で何とわずか10分


竹富島「コンドイビーチ」~この遠浅の海は一体何処まで続くの〜?  編集局イメージ

ワァ〜ッ!青い空と白い雲と白くて細かい砂とコバルトブルーで透明な海の水、おまけに海から生まれたばかりの新鮮で清らかな空気、マイナスイオンが一杯!・・・


水深30mと言うほどの透明度をもつ逃げも隠れも出来ない竹富島の海。 編集局イメージ

いったいどこから空で何処迄が海なのか、果ては自分が何処に居るのかも見失う位い境目がわからない?…なんて凄い世界があるんだろう。まるでサンゴの森の上を熱帯魚という鳥が飛んでいるよう♫


ZIPANG-3 TOKIO 2020 ~世界が恋するOKINAWA~ JTB 『日本の旬 沖縄』全社キャンペーン(3)
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ZIPANG-7 TOKIO 2020

これまでの、日本の精神文化と国土の美しさについて再発見に加えて その1. 全世界との情報の共有化 その2. 偏り、格差のないローカリティの尊重! その3. 美しきものへの学び、尊敬、関心を高める教育と推進

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