国境なき医師団は、
世界中で命を守るために活動する、
医療・人道援助団体です
国境なき医師団(MSF)は、世界75の国と地域で活動する、民間で非営利の医療・人道援助団体です。紛争や自然災害、貧困などにより危機に瀕した人びとに、独立・中立・公平な立場で緊急医療援助を届けています。
活動実績が認められ、1999年にノーベル平和賞を受賞しました。
今年4月にスーダンで戦闘が始まって以降、約29万人が隣国の南スーダンへと逃れたが、その9割はスーダンから帰還した南スーダン人(以下、帰還民)が占めている。
レンクの一時滞在センターの給水所に並ぶ人びと
=2023年9月15日 © Evani Debone/MSF
帰還民が多く到着する上ナイル州の町レンクは、国内の他の場所へ移動するための一時的な滞在地だが、帰還民らは同地で数週間から数カ月動けない事態となっている。
食料、仮住まい、水、衛生設備、そして医療へのアクセスも限られている同地での滞在は疲労と苦痛を伴っており、国境なき医師団(MSF)は帰還民への医療・人道援助対応の改善が緊急に必要だと訴えている。
レンクにあるMSFの移動診療所で診察を待つ患者
=2023年9月13日 © Nasir Ghafoor/MSF
ニーズの拡大と援助の不足
MSFはレンク市民病院ではしか隔離病棟、入院栄養治療センター(ITFC)、小児病棟を支援している。患者の殺到を受け、チームは複数の病棟の病床数を22床から45床に拡大。7月以降、MSFは232人の栄養失調患者を受け入れ、病院での治療を必要とするはしか患者、282件を治療した。
南スーダンにおけるMSFの現地活動責任者ジョスリン・ヤピは「レンクでの日々増大するニーズに対し、援助は極めて不十分です。
MSFは、他の人道援助団体や医療団体に対し、この町の入り口や一時滞在センターでの活動を拡充するよう求めています。病気を抱えた人が、国境付近で基礎的な診療をいつでも受けられるようにすべきです。
また、スーダンの予防接種率が低い現状や、スーダンと南スーダンの両国ではしかの流行が続いていることを考えると、国境では後追いの予防接種を常に受けられるようにすべきです」と指摘する。
レンクの一時滞在センター。食料や水、衛生設備が限られた環境
=2023年9月13日 © Nasir Ghafoor/MSF
限られた食料供給と悲惨な生活環境
多くの人びと、特に子どもが、はしかのような致命的な病気や、即時治療が必要な栄養失調といった状態で国境に到着している。現在は雨期であることも重なって、MSFの医療施設ではマラリアの陽性率が7割に達している。
入院栄養治療センター(ITFC)で子どもを診察する看護師
=2023年9月17日 ©Evani Debone/MSF
「特に栄養失調の子どもには、国境で緊急の栄養補給を行い、すぐに医療施設に搬送しなければなりません。蚊帳、ビニールシート、その他の生活必需品といった救援物資は国境で提供し、必要な人が受け取れるようにしなければなりません」とヤピは言う。
現地では1人当たり12米ドル(約1790円)の現金が一度だけ支給されるが、レンクでは一般的な食事が平均2米ドル(約300円)で売られている状況を考えると、この援助金額では1日1食にとどめたとしても1週間の予算にも満たない。人びとは数週間、時には数カ月も追加の現金の支給を受けられないままであり、人道援助団体や当局による定期的な食料配給もない。
「食料を買うために、服を1着2000南スーダン・ポンド(現地のレートで約300円)で売っています。手持ちの服6枚を売って、残りの2枚を着てしのぎます」と、レンクの非公式な帰還民居住地の一つ、ゼロに住む6児の母、マルタ・マンハーさんは言う。
レンクの一時滞在センターにあるMSFの移動診療所でマラリアの検査を待つ人びと
=2023年9月13日 © Nasir Ghafoor/MSF
限られた食料と悲惨な生活環境が、人びとの健康状態に打撃を与えている。MSFが運営する移動診療所のうち、ゼロとアブカドラの2カ所では、チームが1日300件の診療を記録していて、10件中7件がマラリア患者だ。そこではほとんどの人が、屋外か衣服で作った仮住まいで暮らしている。この地域では、よどんだ雨水が蚊の繁殖の温床となっている上に、人びとは蚊帳などで身を守るすべがない。
緊急人道対応が必要
MSFがはしか隔離病棟を支援しているレンク市民病院では、患者の9割が帰還民でワクチンは未接種だ。その上、一部の重病患者は診療も受けられないまま、医療も水も食料もないボートで、48時間から72時間かけてレンクからさらに南部のマラカルに移送されている。ボート上で亡くなる人や、重症となる人もおり、マラカルの搬送先施設では患者の死亡率が高まっている。
レンクの一時滞在センターで、シーツと衣服で作られた仮住まいに座る母親と子ども
=2023年9月15日 ©Evani Debone/MSF
「帰還民たちはあまりに弱い立場に置かれています。食料や飲み水が不足しているだけでなく、仮住まいもなく、強い日差しや雨から身を守るのは布切れしかありません。病院で栄養失調の子どもを治療していると、母親も多くが栄養失調であると分かります」とレンクでMSFの活動に参加しているアブラハム・アンヒエニー医師は憤る。
レンクの一時滞在センターにあるMSFの移動診療所でマラリア検査を行うMSFの看護師ら
=2023年9月13日 ©Evani Debone/MSF
南スーダンは長年の紛争によって、すでに世界最大級の人道危機の最中にある。以前から定期的な疾病の集団発生、洪水、避難生活、栄養失調罹患率の高さに悩まされていたため、帰還民の到着は新たな重荷となっている。現在進行中の人道危機と、スーダンの紛争によって引き起こされた別の緊急事態に対処するため、同国への関心を高めるとともに援助の拡大が必要だ。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
国境なき医師団(MSF)日本
〒162-0045 東京都新宿区馬場下町1-1 FORECAST早稲田FIRST3F 電話:03-5286-6123
紅山子(こうざんし)
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ブルキナファソの子供たち
UNICEFは、ブルキナファソの中央地方と中央西部地方において、中学校(普通科)や技術教育職業訓練中学校の建設を行うため、JICAを通じて、11億6,500万円の無償資金贈与契約を日本政府と締結しました。
2022年7月27日 ワガドゥグ(ブルキナファソ)発
UNICEF東京事務所について
UNICEF東京事務所は、ニューヨーク本部公的パートナーシップ局の一部として、日本政府との政策対話を通じ、政府開発援助(ODA)による資金協力の働きかけおよび調整を行っています。また、国会議員、国際協力機構(JICA)、非政府組織(NGO)等、様々なパートナーを通じて、子どもの権利やUNICEFの活動への理解と協力を促進しています。
ZIPANG-6 TOKIO 2020UNICEFとJICA、ブルキナファソにおける26の中学校建設のため、無償資金贈与契約を締結
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/37525215/
気候変動に対して具体的な対策をすることは、持続可能な開発目標(SDGs)に掲げられた目標の一つです。
ユニセフ(国連児童基金)が2021年8月に発行した『気候危機は子どもの権利の危機:子どもの気候危機リスク指数の紹介(原題:The Climate Crisis Is a Child Rights Crisis: Children's Climate Risk Index)』は、世界の22億人の子どもの約半数にあたる約10億人の子どもたちが、「気候変動のリスクが極めて高い」と分類された33カ国のいずれかで暮らしており、世界中のほぼすべての子どもたちが、洪水やサイクロン、熱波、水不足、大気汚染等、気候・環境危機のうち少なくとも1つに直面していると指摘。気候変動、地球温暖化への責任がない子どもたちが最も犠牲を払っており、国際社会の行動は一刻の猶予も許されないと訴えました。
ZIPANG-6 TOKIO 2020 「子どもパブコメ2022」国連の気候変動対策に、子どもたちの声を【日本ユニセフ協会】
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/34125223
6月20は世界難民の日
国際NGOワールド・ビジョンは「世界難民の日」を前に報告書を発表。難民や国内避難民の子どもたちが直面する飢餓と暴力のレベルが高まり続けており、一方で、必要な資金拠出は追いついていないことを警告しました。
• 移住を強いられている家庭の85%は、日々に必要な栄養を摂取するだけの十分な食料を買うことができない。
• 25%の家庭は、悪化する家計ひっ迫に対応するために子どもを学校に通わせていない。19%の家庭は子どもを働かせている。
• アフガニスタンとニジェールでは、かなりの数の家庭~それぞれ12%と7%~が、収入減少への対処方法として児童婚を利用していると報告している。
6月20日「世界難民の日」に向けて、世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、毎年実施している難民と国内避難民の家庭を対象とした調査について、2023年の調査結果を発表しました。
母は強し❣しかし…それでも・・・難民の家族・子供たち
ZIPANG-7 TOKIO 2020 速報 【6/20は世界難民の日】世界で難民の子どもたちが直面する飢餓とリスクレベルは3年連続で増加
https://tokyo2020-7.themedia.jp/posts/44629979
ウクライナ人道危機の影響を受けている人びとを救うため 日赤から国際赤十字に14億円の追加資金援助を実施!
ZIPANG-6 TOKIO 2020ウクライナへ~引き続き、皆さまからの温かいご支援をお願いいたします~ 日本赤十字社
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/33630252/
PC側位置情報閲覧画面(反射強度表示)
2022年10月から、日本DMC株式会社(以下、日本DMC)と学校法人静岡理工科大学(以下、静岡理工科大学)は、3次元点群データ上の、人の位置情報のリアルタイム共有方法の共同研究実施契約を締結しました。
日本政府が提唱している「Society5.0」の社会実現には、3次元空間情報基盤の実装・普及が不可欠であり、そのためには、様々な空間情報が空間IDを共通インデックスとして分野横断の連携を実現し、バーチャルとフィジカルをつなぐ様々なアプリケーションが活用され、バーチャルとフィジカルの融合が促進されるべきであるとされています。
本研究では、それらアプリケーションの一つとして、点群データが持つ静的な位置や属性の情報に、時間変化する動的情報を加えることを目的に、三次元点群データと衛星測位システムによる位置情報をリアルタイムに可視化するシステムを開発します。
本研究の成果をもとに、日本DMCは、平面的な地図にない高さ情報をもった三次元点群データを活かし、今後、都市部の災害時避難状況のリアルタイム可視化などのサービス提供につなげることを予定しています。
研究内容
1)点群データと衛星測位システムによる位置情報のリアルタイム共有システムの開発
2)システムの実証実験の実施
点群データ計測方法の一例
1)航空機(航空レーザ測量)
2)ドローン(UAV搭載型レーザスキャナ及び写真による計測)
3)車(車載型レーザスキャナおよびカメラによる計測)
4)背負い型(LidarSLAM機器、およびGNSS搭載LidarSLAM機器)
5)固定型(地上レーザスキャナ)
※本研究では1)航空機、4)背負い型、5)固定型で計測した点群データを使用しました。
ZIPANG-6 TOKIO 2020研究の意義とは?人類に貢献することにある❣
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/40592192
※現在、2150件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。
新サイトの記事をご覧いただけます。
ZIPANG-7 TOKIO 2020 (VOL-7)
https://tokyo2020-7.themedia.jp/
最新の記事をご覧いただけます。
ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
https://tokyo2020-6.themedia.jp/
最近の記事をご覧いただけます。
ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
https://tokyo2020-5.themedia.jp/
250件ほどの記事をご覧いただけます。
ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/
235件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/
200件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
https://tokyo2020-2.themedia.jp/
615件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
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