ここまで会津地方の主な市町村の姥神を紹介してきましたが、まだ紹介していない姥神が
ありますのでまとめて紹介したいと思います。
【会津美里町】
・高田
会津美里町高田の姥神像
高田の姥神のお札
会津美里町の高田地区に姥神が祀られています。商店街の一角にあり、現在も8月29日に地域でお祭りを行っています。
縁起では、白髪の老婆が現れ、「難産になるからこの書き物を掛け軸にしてお参りしろ」と言われ、毎日お参りをしていたら無事安産で済み、そのことを聞いた近所の人たちが集まり、講中を作り、石の姥神像を造って信仰するようになったそうです。
祭日には、同像のお召替えが行われ、お参りに来た方は丈夫でマメになるようにと枝豆とお神酒をもらっていくほか、姥神の姿が入ったお札も作られ売られています。
また、以前は参拝者みんなで踊る、乳が良く出るように赤と白の米の入った袋を妊婦が貰い、無事に産まれたら倍にして返すなどの風習もあったようですが現在は途絶えてしまっているようです。
堂に単独で祀っていますので、本尊-姥神型と言えます。
【会津坂下町】
・福原
会津坂下町福原の姥神
福原にある陶器製の姥神神
福原の姥神のお札
会津坂下町の福原地区の堂の中に姥神像があり、地域で祀っています。中心に石造の姥神像がある他、隣には小さいですが陶器製の姥神像も祀られています。版木もあるらしく、お札も作られています。
同町は会津美里町と隣接し、近くにあるため、先の高田地区の姥神と同じような信仰で祀られたのかもしれません。
堂に単独で祀っていますので、本尊-姥神型と言えます。
【磐梯町】
・上屋敷
上屋敷の姥神像
その29(アーカイブリンク記事をご覧ください)で磐梯町の橋姫として祀られた姥神像を紹介しましたが、同町には上屋敷地区にも姥神像があります。この町では橋姫として祀っている場合が多いですが、ここは御姥尊と書かれていますので、姥神として祀られているのかと思われます。
堂の中に単独で祀られていますので、
本尊-姥神型と考えることができます。
【猪苗代町】
・田茂沢
田茂沢の八幡神社と隣にある講の小屋
猪苗代町には、その51※で紹介した関脇、その53※で紹介した金曲、木地小屋、またその29※で紹介しました堀切(伯父ヶ倉)の橋姫神社などがありましたが、他に田茂沢地区にもおんば様として姥神が祀られています。
※その51、その53、その29は巻末のアーカイブリンク記事をご覧ください。
八幡神社の隣に講のための小屋があり、秘仏として祀っているようです。
関脇などと同じように
本尊-姥神型と言えます。
・大原
大原のおんば様
同じく猪苗代町の大原地区にも堂があり、姥神が祀られています。
こちらも単独で祀られていますので
本尊-姥神型と言えます。
続く・・・
寄稿文
廣谷知行(ひろたに ともゆき)
姥神信仰研究家
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)
アーカイブ リンク記事をご覧ください。
京都府宇治市の宇治橋
紫式部像
前回、橋場のばんばを紹介した際に、橋姫について触れましたが、その橋姫信仰についてもう少し詳しく紹介します。 橋姫は橋の守り神として、滋賀県の瀬田の唐橋などにも祀られていますが、一番有名なのは京都府宇治市の宇治橋に祀られているものです。
2024年NHK大河ドラマは紫式部❣
源氏物語45帖 橋姫 編集局イメージ
ZIPANG-5 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その29)~ 橋場のばんば様(後編) ~【寄稿文】 廣谷知行
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/17911798
冠雪の飯豊連峰
山形県、新潟県、そして福島県の3県にまたがり、飯豊連峰の主峰となるのが標高2,105mの飯豊山です。どのルートから登っても頂上までの距離が長く、日帰り登山の困難な険しい山です。
同山は白雉3(652)年に知同和尚と役小角が開山したとされ、古くから修験道の山として信仰を集めてきました。
また、主に福島県の会津地方などでは、成人儀式として15歳までに登頂しないと一人前と認めてもらえなかった風習などもありました。そのためか、頂上部分まで細長く福島県喜多方市の境界が延び、頂上付近は福島県となっています。
ZIPANG-7 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その51)福島の姥神たち 飯豊山の姥神姉妹【寄稿文】廣谷知行
https://tokyo2020-7.themedia.jp/posts/42323589/
奥に磐梯山を望む猪苗代湖
その51で紹介した福島県猪苗代町の関脇の優婆夷堂は、多くの人がその霊験を求めて参拝した場所です。ここでは姥堂ではなく優婆夷堂とされ、「うば」の字に「優婆夷」が当てられています。
仏教において普段の生活をそのまましながら仏道に帰依した人を、男性は「優婆塞」(うばそく)、女性は「優婆夷」(うばい)と呼んでいました。この女性を示す言葉を関脇では姥神に当てて使うようになったと思われます。
この関脇と同じく猪苗代湖の周囲に同じように祀られた姥神がありますので、紹介したいと思います。
ZIPANG-7 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その53)福島の姥神たち・猪苗代湖周辺に祀られた姥神【寄稿文】 廣谷知行
https://tokyo2020-7.themedia.jp/posts/44098021
※現在、2150件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。
新サイトの記事をご覧いただけます。
ZIPANG-7 TOKIO 2020 (VOL-7)
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ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
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ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
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250件ほどの記事をご覧いただけます。
ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/
235件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/
200件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
https://tokyo2020-2.themedia.jp/
615件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
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